ふくらはぎが痛い、腫れ、違和感がある
結果をもとに適切な病院・診療所を提案します
ふくらはぎが痛い、腫れ、違和感があるの基礎知識
概要
ふくらはぎの筋肉、血管、神経に異常が発生すると、痛みや腫れ、違和感などの症状が現れます。ふくらはぎの筋肉はスポーツなどで損傷しやすいことが知られています。また、ふくらはぎの血管には下肢静脈瘤という病気が発生しやすいです。
このようなふくらはぎに起きやすい病気が命に危険を及ぼすことはほとんどありません。一方で蜂窩織炎や壊死性筋膜炎という感染症には注意が必要です。発熱や強い痛みを伴い、下肢の切断につながったり命に関わることもあります。
ふくらはぎに痛みや腫れなどの症状があれば、整形外科もしくは内科を受診してください。ふくらはぎの主な病気に対応できますし、適切な診療科が他にある場合には紹介してもらえます。
原因とメカニズム
ふくらはぎの症状は筋肉や血管・神経に原因があることが多いです。また、全身に影響が及ぶ病気の症状がふくらはぎに出ることもあります。例えば、電解質の異常はふくらはぎの痙攣や痛みの原因になることがあります。
考えられる病気
筋断裂(肉離れ)
筋線維が断裂した状態で、肉離れとも呼ばれます。ふくらはぎは筋断裂が起こりやすい部位の一つです。筋断裂は筋肉に強い力が加わったときに起こりやすく、痛みや腫れといった症状が現れます。
こむら返り
こむら返りは主にふくらはぎの筋肉(腓腹筋)が異常に収縮した状態を指します。痛みや痙攣をともないます。就寝中や運動の前後に起こりやすいことが知られています。背景に脱水症・肝硬変・糖尿病といった病気があると起こりやすいのですが、そうでない健康な人にも起こります。
むずむず脚症候群
じっとしているときに脚がむずむずしたり、脚を動かしたくなったり、脚を虫が這っているように感じる病気です。レストレスレッグス症候群とも呼ばれます。夕方から夜にかけて起こることが多いので、不眠の原因にもなります。原因ははっきりとはしていませんが、鉄欠乏性貧血や糖尿病、関節リウマチなどの病気と関連しやすいです。
シンスプリント
スポーツによる怪我の一つで、スネの内側下1/3付近に鈍い痛みを感じます。骨の異常によるものではなく、骨膜(骨の表面を覆う膜)や腱(筋肉が骨とくっつく部位)に生じた炎症が痛みを引き起こすと考えられています。シンスプリントは陸上選手に多く、過度な負荷やフォーム、シューズなどが原因だと考えられています。
蜂窩織炎(蜂巣炎)
皮膚の中でも蜂窩織(皮膚の下にある脂肪の辺り)に起こる炎症のことです。細菌感染が主な原因です。蜂窩織炎になると、強い腫れや痛み、赤みといった症状が現れます。ステロイドのような免疫を抑える薬を飲んでいる人や、糖尿病の人、皮膚にできた傷が不潔なままだった人に起こりやすいです。
ロコモティブシンドローム
ロコモティブシンドロームは運動器(筋肉・骨・関節・軟骨・椎間板など)の障害によって移動する能力が低下し、介護が必要となるリスクの高い状態です。移動能力が落ちるだけではなく、筋肉に痛みを感じることもあります。
線維筋痛症
線維筋痛症は慢性的に全身の痛みとこわばりが生じる病気です。原因ははっきりとは分かってはいませんが、痛みを伝える神経が過敏になることなどが考えられています。痛みやこわばりは全身に生じ、ふくらはぎにも症状が現れることがあります。
下肢静脈瘤
足の血管がこぶのように膨らんで浮き出た状態になる病気です。見た目の変化だけではなく、痛みを感じることもあります。特にふくらはぎの症状が目立ちます。下肢静脈瘤は中年以降の女性に多く、立ち仕事・遺伝・肥満なども発症に関わっていると考えられています。
怖い病気
ふくらはぎの痛みの原因で注意が必要なのは、蜂窩織炎や壊死性筋膜炎です。感染がひどくなると、筋肉周囲の組織が壊死してしまい足の切断や命を危険にさらすこともあるからです。そのため、蜂窩織炎の可能性がある人はすみやかに医療機関を受診してください。
受診の目安
こむらがえりのように短時間で症状が治る場合には様子を見ることができますが、症状が持続する場合には受診したほうが望ましいです。また、こむらがえりも繰り返す人は一度は受診を検討してください。
診療科
原因によって適した診療科は異なるのですが、患者さんが見分けるのは難しいので、まずは整形外科もしくは内科で相談してみてください。強い力がかかったり、怪我をした覚えがあるのであれば整形外科が望ましいと考えられます。
検査
原因によって検査は異なりますが、診察・血液検査・超音波検査が行われることが多いです。
診察
お医者さんが身体を見たり触れたりすることです。肉離れや下肢静脈瘤は診察によって診断がつくことが多いです。
血液検査
線維筋痛症や蜂窩織炎、むずむず脚症候群が疑わしい場合は全身状態を調べる必要があります。血液検査を行うことで、体の状態を客観的に調べることができます。
超音波(エコー)検査
下肢静脈瘤の可能性がある人にはその程度を調べるために行われます。
治療
治療は原因によって異なります。筋断裂であればしばらく安静にすることが治療になります。痛みが強い人は鎮痛剤を使うこともあるかもしれません。また、下肢静脈瘤では手術が検討されることがありますし、蜂窩織炎では抗菌薬(抗生物質)が必要です。
セルフケア
治癒を早めるために自分でできることは多くはありませんが、予防や症状の緩和には生活習慣の改善などが役立つことがあります。詳しくはそれぞれの病気ページで説明しているので参考にしてみてください。