女性器から月経(生理)以外での出血がある
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女性器から月経(生理)以外での出血があるの基礎知識
概要
月経(生理)ではないにも関わらず女性器から出血することを不正性器出血(不正出血)と言います。その原因は妊娠や、女性ホルモンの乱れ、薬の副作用、腫瘍などさまざまです。
不正性器出血があった場合、まず妊娠の有無が重要です。妊娠していなければ、膣や子宮、卵巣に出血源となる病気があるかどうかを調べます。病気が見つからなかった人には、女性ホルモンのバランスや凝固因子(血液を固める成分)などを血液検査で調べます。
不正性器出血があった人に必ず病気が見つかると言うわけではありませんが、診察を受けないとその見極めは難しいですし、原因には怖い病気も含まれます。不正性器出血があった人は早めに産婦人科を受診してください。
原因とメカニズム
妊娠中はしばしば不正性器出血が現れ、妊娠の時期によって原因が異なります。例えば、初期では受精卵が子宮に着床したことによって出血することがあります。妊娠中期では切迫早産、後期では前置胎盤・常位胎盤早期剥離などが原因になります。
また、子宮の腫瘍や膣粘膜の萎縮も不正性器出血の原因になります。子宮の腫瘍は良性も悪性もあり、ともに不正性器出血を起こします。
考えられる病気
妊娠
妊娠中はしばしば不正性器出血を起こします。その原因は妊娠の経過段階によって異なります。
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妊娠初期(妊娠15週以前)
- 着床時の出血
- 絨毛膜下血腫
- 流産・切迫流産
- 異所性妊娠(子宮外妊娠)
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妊娠中期(妊娠16週から27週)
- 切迫早産
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妊娠後期(妊娠28週以降)
- 前置胎盤・低置胎盤
- 常位胎盤早期剥離
妊娠初期は妊娠に気づいていないことがあるので、不正性器出血を月経と誤認してしまうことがあります。妊娠になるべく早く気づくためにも、普段とは異なる出血があれば妊娠の可能性を考える必要があります。
また、妊娠中期から後期の不正性器出血は胎児の危険を現すサインかもしれません。慎重に対応しなければならないので、必ず主治医に相談してください。
子宮頸管ポリープ
子宮のうち頸管という部位に発生したできもののことです。子宮頸管ポリープは良性の病気で無症状のことがほとんどですが、性交や運動の影響で出血することがあります。
子宮腺筋症
子宮の筋肉層に子宮内膜の細胞が入り込んで増殖する病気です。子宮腺筋症の症状には不正性器出血の他に、月経困難症(月経時の症状が極端に重い)や過多月経(月経時の出血量が極端に多い)などがあります。
子宮体がん
子宮体部は胎児が育つ場所です。子宮体部に発生したがんを子宮体がんといいます。がんは正常な組織と比べてもろく出血しやすい性質があるので、不正性器出血の原因となります。
子宮頸がん
子宮体部と膣の繋ぎ目の部分を子宮頸部といい、そこに発生するがんが子宮頸がんです。子宮体がんと同様に、がんは正常な組織よりもろく出血しやすい性質があるので、不正性器出血の原因となります。
萎縮性膣炎
閉経や卵巣の切除などの影響で女性ホルモンが少なくなると、膣の粘膜が弱くなります。この状態を萎縮性膣炎といいます。不正性器出血の原因になり、性交時に出血しやすくもなります。
怖い病気
子宮体がんや子宮頸がんは命に危険を及ぼすので怖い病気だと言えます。また、妊娠中の出血は切迫流産や切迫早産のサインである可能性があるので、速やかに医療機関を受診してください。
受診の目安
不正性器出血の原因はさまざまで、症状の特徴だけでは原因の判断がつきません。そのため、明らかに月経とは関係がない出血が見られたら、なるべく早く受診することをお勧めします。
診療科
産婦人科を受診してください。クリニックでも病院でも構いません。
検査
原因を詳しく調べるために次のような検査が行われます。
内診
内診台(お産の時に乗る台)に乗って受ける診察です。女性器を調べる際に行われます。
超音波(エコー)検査
プローブ(超音波を出す機械)をお腹に当てるか、膣から挿入して検査が行われます。膣から調べるほうが女性器を詳しく観察しやすいです。
MRI検査
超音波検査より詳しく調べられるので、超音波検査ではっきりしない場合に行われます。磁気を利用した検査で、被ばくはしません。
血液検査
ホルモンや凝固因子(血液を固める成分)の乱れなどを調べるのに用いられます。
治療
不正性器出血の原因が見つかれば、それに応じた治療が行われます。原因が腫瘍であれば手術が選択肢に挙がりますし、ホルモンの乱れであればホルモンバランスを整える薬などが選択肢に挙がります。原因がはっきりしない場合でも、止血剤が使われることがあります。
セルフケア
不正性器出血があれば、まずは産婦人科に受診することが大切です。出血の原因によって気をつけることは変わってきますので、お医者さんにセルフケアについて相談してみてください。