ぬぐえない強い不安感がある
結果をもとに適切な病院・診療所を提案します
ぬぐえない強い不安感があるの基礎知識
概要
不安や恐怖の感情は誰でも感じうるものです。しかし、過剰に感じてしまって日常生活に支障をきたしたり、自分でも理不尽だと分かるくらいの症状であれば、病気が原因の可能性があります。
全般性不安障害、強迫性障害、パニック障害、うつ病、社交不安障害、更年期障害、薬剤の副作用などがこうした症状の原因として挙げられます。かかりつけの精神科、心療内科、一般内科などがある人はまずそちらで相談してください。かかりつけ医のない人は、まずは精神科や心療内科の受診をお勧めします。50歳前後の人は、更年期障害の可能性も十分あるため、婦人科などでまず相談するのも良いと考えられます。
原因とメカニズム
人は何か悪い事に対して準備・練習・リハーサルして対応できるように、不安を感じるようになっています。ある程度の不安は悪い事に対して適応するための正常な反応です。
しかし、一般的な個人差の範囲を超えて、不自然なまでに不安感が強くなってしまう場合は病気が関係していることがあります。不安を感じやすくなるメカニズムは複雑であり、現在の脳科学でも十分に明らかになっているとはいえない状況です。
考えられる病気
心の病気が主な原因ですが、身体の病気や薬物・アルコールの影響なども原因となります。
全般性不安障害
全般性不安障害は、少なくとも数週間以上の長期間持続する漠然とした過剰な不安と心配(予期憂慮)によって日常生活に支障をきたす病気です。怒りっぽさや落ち着きのなさ、不眠、頭痛など多様な症状が現れるので診断が難しく、他の病気と見分けるのが難しいことがあります。
強迫性障害
強迫性障害は「重要ではないことと自分ではわかっているにも関わらず、そのことをしないではいられない状態」のことです。具体例では、過剰な手洗いや施錠の確認などがあります。
パニック障害
突然発作を起こしてしまい生活に支障が起こる病気です。「パニック発作」、「予期不安(パニック発作が起こることを予期して不安になる)」、「広場恐怖(発作時に逃げ出せない、助けてもらえないことに対する恐怖感)」が主なパニック障害の症状です。
うつ病
うつ病は悲しみや虚無感、怒りといった気分の変化が持続することによって引き起こされる気分障害の中で最も代表的な病気です。
身体疾患に伴う不安
甲状腺機能亢進症、褐色細胞腫、心不全、不整脈、気管支喘息、COPDといった身体の病気は、不安の直接的な原因となることがあります。
薬剤・アルコールに関連する不安
ステロイド、コカイン、アンフェタミン、カフェインといった物質・薬剤は不安症状を引き起こす可能性があります。また、 鎮静薬、アルコール、一部の違法薬物からの離脱症状でも不安が起こりえます。
受診の目安
自分でも説明できないような不合理な不安を感じている人は精神科・心療内科を受診してください。かかりつけの内科などがある人は、そちらの主治医にまず対応について相談するとよいと考えられます。
診療科
精神科・心療内科
不安症状の診療については専門科といえます。まずはこれらの受診を検討してください。
内科
内科的な病気からくる不安感については内科でもアドバイスが可能です。また、不安感に対する薬の処方をできることもあります。しかし、やはり不安症状の専門科とはいえないため、最終的には精神科・心療内科の受診をお勧めされることも少なくありません。
検査
頭のCT検査、MRI検査
何か特定の検査を行わないと、不安症状に対する診断ができないということはありません。脳の画像検査でわかる病気や認知症などが疑われる人には、CT検査やMRI検査などが行われることもあります。
治療
原因に応じた治療が行われます。具体的には、カウンセリングや薬物療法(ベンゾジアゼピン系薬剤、選択的セロトニン再取り込み阻害薬など)が用いられます。
セルフケア
不安感の解決方法は人によって異なります。病気であれば精神科・心療内科での相談が推奨されますが、以下のようなセルフケアで症状が和らぐ人もいます。
- 首や肩のストレッチをする
- ウォーキング、軽いランニング、サイクリング、ダンスなど有酸素運動をする
- なぜ自分が不安を感じているのか、気持ちを整理して書き出してみる
- 腹式呼吸を繰り返してゆっくり呼吸する
- 好きな音楽を聴いたり歌ってみる
- 多少無理にでも笑うように心がけてみる