肌が痛い、かゆい(数日以内)
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肌が痛い、かゆい(数日以内)の基礎知識
概要
皮膚のかゆみの原因は、じんましん、薬や食べ物のアレルギー、アトピー性皮膚炎などその他アレルギーが関係した病気、水ぼうそうや帯状疱疹などの感染症、虫刺されなど様々です。あせもや皮膚の乾燥も、かゆみを引き起こします。
皮膚の痛みの原因は、感染症(単純ヘルペス、帯状疱疹、蜂窩織炎など)、やけど/凍傷、虫刺され、その他の外傷、など様々です。
痒みや痛みがあっても掻かないようにしてください。専門は皮膚科ですが、内科や小児科で相談に乗ってもらえることもあります。
原因とメカニズム
痛みのメカニズムは比較的単純ですが、かゆみのメカニズムはやや複雑です。「ヒスタミン」という物質が、かゆみを引き起こすのに関係していると考えられています。乾燥肌やアトピー性皮膚炎などで、肌のバリア機能が弱っている人は、軽い刺激でヒスタミンが分泌され、かゆみが起きるようになっています。
考えられる病気
皮膚の痛みや痒みを引き起こす病気は極めて多いです。そのため、お医者さんでも皮膚科の専門でなければ見当がつかないことも多いです。また、皮膚科でも確定診断には至らないことも少なくありません。以下では、症状に関連して代表的なものをいくつか挙げます。
全身が赤くてかゆい
アトピー性皮膚炎やヒゼンダニによる感染症である疥癬(かいせん)、薬のアレルギーの一種である湿疹型薬疹などが考えられます。
皮膚に変化はないが、全身がかゆい
特に高齢者に多いのが、乾燥してカサカサしてかゆくなる、乾皮症(皮脂欠乏性湿疹)です。乾燥していないのにかゆい場合は皮膚そう痒症と言われ、糖尿病や腎不全、肝不全などを原因として、全身の代謝の異常によって皮膚がかゆくなります。
赤く腫れて、かゆい・痛い
虫刺されやじんま疹が考えられます。一部が熱を持って赤く腫れて痛い場合には、細菌が感染して蜂窩織炎を起こしている可能性もあります。また、帯状疱疹では皮疹よりも先にピリピリとした痛みが出てくることもあります。
夏にかゆくなる
肘の内側、お尻、膝の裏側、湿布、包帯、ギブス、おむつなどの部位にできるのは、あせもです。
受診の目安
皮膚の痒みが軽度で、見た目の変化も大したことがなければ受診は不要です。以下のような症状があれば、医療機関の受診を検討してください。
・痛みや痒みが激しい
・皮膚の腫れや変色が目立つ
・38度以上の発熱を伴っている
・息苦しさが強い
・1週間以上症状が持続する
休日や夜間に救急で医療機関を受診しても、皮膚科医に診てもらえることはまれです。症状が極めて強い人以外は、皮膚科のクリニックが空いている時間帯での受診をお勧めします。
診療科
皮膚科
皮膚科が適しています。内科や小児科でも他の症状のついでに診てもらえることもありますが、専門ではないので基本的には皮膚科で相談してください。
検査
血液検査
アトピー性皮膚炎やアレルギーの関与が疑われるときに、アレルギー検査が行われることがあります。また、種々のウイルスに対する反応や、全身の炎症の状態をチェックするためなどにも行われます。
パッチテスト
アレルギーの原因と思われる物質を皮膚に薄く塗り、そのまま数日後に観察することで、その物質に対するアレルギーがあるかどうかが判定できます。
治療
飲み薬や塗り薬が使われます。ヒスタミンによって皮膚のかゆみが起きていると考える際は、ヒスタミンの働きを抑えるために、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬の飲み薬が用いられます。
また湿疹(皮膚炎)に対しては、ステロイドの塗り薬がよく使われます。ステロイドと聞くと副作用が怖いという人もいるかもしれませんが、全身への副作用を起こさないために開発されたのがステロイドの塗り薬です。お医者さんの指導の下、適切に使えば心配しすぎる必要はありません。
セルフケア
原因によって細かい対処法が異なりますが、皮膚のかゆみに対して、以下のようなセルフケアは共通しています。
・掻かない
・乾燥している場合は、保湿クリームなどで保湿する
・アレルギーの原因を避ける
といったことが大切です。